Dark
Rainbow
闇色の虹
自己紹介
魔力を取られてしまったパークスは、当然、その場に倒れてしまった。
「すご〜い。パークスの魔力をこんなに早く抜き取れた人今まで見たことないよ」
「しかもあの軟弱な魔力を最大限まで引き出せたなんてね。ふふふ、楽しくなってきたわ」
「アンさっきからずっと楽しそうにしてなかった?」
「ふふ、だから気のせいなのよ、サリー」
サファイア、アンがこの状況でのんきな会話をしているのに疑問を感じたが、それはアンにあっさりと言い返されてしまった。
それにしても、サファイア、ちょっと驚くところ違うことない? ついでに、ルピアはどうしたらいいのか分からずオロオロしている。
(どうやら、パークスは何度も魔力を抜き取られたことがあったらしいがそのことはあえて忘れておこう)
「あ、そういえばあなた名前なんていうの?」
サファイアが思い出したように魔界人(ライアル)に尋ねた。
「ライアル」
「そうなんだ。私はサファイア。ついでに、さっき魔力を取られて倒れているのがパークスだよ。ライちゃんよろしく」
「ライちゃん?」
ライアルが明らかに嫌そうな顔をした。
サファイアのセンスって悪いからなぁ。
「そう、ライちゃん。かわいいニックネームでしょ」
サファイアはライアルのとても嫌そうな顔を完全に無視している。しかもかなり楽しそうに。
「そんなことはおいといて、私の名前はルピアよ」
ルピアもそんなライアルを無視して自分の自己紹介を始める。私もルピアに続くことにした。
「私はサリー」
「アンよ……ふふっ」
「なぁ、それよりなんでライアルは僕の魔力をわざわざ取ったんだ?」
とりあえずそれぞれの自己紹介が終わったところで、やっと意識が戻ったパークスは不機嫌そうに質問した。
「それは一番弱くて丁度良さそうだったからだ」
ライアルは当たり前かのように答えた。悪気も全くないようだ。
「えっ、ちょっとまて。それってなんか酷くないか!?」
「どこも酷くないだろ」
「……」
パークスはすかさず反論をしたが、哀れなことにライアルに一言で片付けられてしまった。
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