Dark Rainbow
 
闇色の虹
 
 
 
 
「それで、いったい何が起こったの!?」
 
 暗い通路を全速力で走りながらやっとのことで我に戻ったルピアが一言叫んだ。私も正直言って何が起こっているのか理解できなかった。後ろからは、強力な魔力を持った魔物が追いかけてきている。何度かその妖怪達に攻撃魔法で攻撃をしたけど全然効かなかった。
 
 何か強い防御魔法にかかっているようだ。
 
「ふふふ、見ての通り今私たちは魔物に追いかけられているのよ」
 
 完全に混乱しているルピア(混乱している割には走るスピードは変わっていない)は混乱しているせいか、まともな答えを言ったためしがないアンに重要なことを訊いている。
 
 当然、アンはルピアの訊きたいことの答えになっていない答えを言っている。
 
「そういうことじゃあなくて、なんで私たちはその魔物に追いかけられてるわけ!?」
「ふふ、それは終わってからのお楽しみ……ふふふ」
 
 こいつ、この状況を完璧に楽しんでる。
 
「っていうことはなんで私たちがこんな目にあっているのか知っているわけね?」
 
 疑問に感じていたことをアンに怒りを込めて言ってみたが、あっさりと私の怒りは無視されてしまった。とまぁ色々と話しているうちに、私たちは目の前が開けて何本もの分かれ道のある場所に出た。
 
「どこの道に逃げるんだ?」
 
 ライアルが前と大して変わらない態度で尋ねてきた。
 
「こっちよ」
 
 アンがある一本の道を指差した。アンの動作は気になったけど、すぐ近くまで妖怪が迫っていたので私たちはアンについてその通路に走りこんでいくことにした。
 
「ふふふ、さあ、これからどうしましょうか」
 
 アンが走りながら・・・じゃなくて浮かびながらなぜかルピアに尋ねた。
 
「そんなこと訊かれても分かんないよ。ライアルとサリーは分かる?」
 
 困ったルピアは私とライアルに話を振ってきた。
 
「私に訊くな」
「そんなこと言われても」
「あれ?ライちゃん達じゃんか。どうしたの?こんなところで」
 
 上の発言がライアルで、次が私。それで、最後の最も緊張感のない声はサファイア。
 
「ん?サファイア、パークス??」
 
 ルピアは状況理解がうまくできずに突拍子のない声を上げた。私たちが隣を見るとサファイアとパークスがいつの間にか一緒になって走っていた。
 
「ああ、久しぶりだねルピア」
 
 普段と大して変わらないサファイアの声。その後ろでは疲れた顔をしたパークスがいる。
 
「それより一体ライアル達は何をやってるんだ?」
 
 そしてパークスは少し息を切らしながら私たちに訊いてきた。
 
「そっちこそ何でいつの間に私たちと一緒にいる?」
 
 ライアルはパークスの質問に答えず、逆にパークスに訊き返した。パークスは自分から答えないと教えてくれないことに気がつき、ライアルの質問に答えた。 ―
 
――パークスが言うには、パークスとサファイアは突如現れた穴に落ちた後、上に続く出口を探していたのだがサファイアが自分のペットを見つけて変な方向に行ってしまったため道に迷ったそうだ。そして彷徨っていたところ、ちょうど曲がろうとしていた通路から私たちがすごいスピードで妖怪の群れから逃げてきているのが見えたからそのまま私たちにくっついていくことにした、ということだ。
 
  パークスの長い説明が終わった後、ルピアが分かりやすく(アンやライアルが話すと話の内容がますます分からなくなるので)、私たちが何をしていたのか説明した。
 
「そうか、そっちも大変だったんだな」
 
 パークスは話を聞いた後、同情したような声を上げた(私とルピアに対して)。
 
「ふふ、これで全員そろったわね。そういえば、パークスの存在が珍しくあるわ」
 
 アンは珍しくまともなことを言った後、小声で(本人には聞こえる程度に)パークスをからかった。
 
「存在があって悪いか」
「あら、聞こえないように言ったつもりだったんだけどね」
「……」
 反論は無駄だと感じたのかパークスは無言でアンを睨みつけた。
 
 
 
 

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